楽ゆる式◎セラピスト塾

根っこから体調がよくなる整体セラピーのヒント。心と体、魂のツボ。

意外だけど……整体は「やわらかくする」だけではNGです【保存版】


「筋肉のコリをゆるめよう」
「関節の動きをよくしよう」
「血流をよくして柔らかくしよう」

ということを、整体をするときには、考えますよね。
一般的には。

ただ……それだけじゃあ、ダメなんです。

特に症状の『根治』とか、
『病気の回復』をサポートしたいなら、これは、
避けては通れない問題です。

なぜか?

 

「筋肉がやわらか過ぎて機能してない」
「関節が動きすぎて、不安定(=ケガの危険)」
「血流が集まりすぎて(うっ血)、炎症が起きる」

という症状もあるから、です。

そしてそういう症状は、
「揉みすぎた結果」に起きることも、全く珍しくない。

これ……怖いですよね。
よかれと思ってやったことが、マイナスになる。
そんなことは、絶対に避けたい。


でもこれは、独立している整体師でさえ、
「よくやっちゃうミス」なんです。


いったいどこに、そんなリスクがあるのか?


結論を東洋医学的にいうと、
〝「補瀉(ほしゃ)」のうちの「瀉(しゃ)」しかできていないから〟
です。


これはとても重要な考え方だから、
ちゃんと説明しますね。

そもそもあらゆるケアは、2種類に分かれます。
(施術だけじゃなくて、薬や食事やアロマとかもね)

1つが「補(ほ)」。
これは氣などの「不足を補う」ということ。
温める、埋める、足す、つなげる、というイメージ。
だから「お灸」が得意なのは、こっちです。

もう1つが「瀉(しゃ)」。
これは氣などの「過剰を抜く」ということ。
冷やす、掘る、引く、離す、というイメージ。
だから「鍼」が得意なのは、こっちです。


東洋医学でいうと、すべての病気は、
「何かが不足している」か
「何かが過剰である」ことから生じるので、
不足なら「補」で補えばいいし、
過剰なら「瀉」で抜けばいいわけです。
原則的には、ね。


さて、ここで考えてみましょう。

一般的に、
「コリをほぐす」という行為は、
補瀉でいうと、どっちだと思いますか?

そう、
「コリ」というのは「凝り」。
つまり凝縮しているということなので、
この固まりを小さく散らす「ほぐし」は、
「瀉」なんです。
過剰な血液や筋膜の集積を患部から引く、という行為ね。


ここまで来ると、もうわかりますよね。
「過剰」なところには「ほぐし」が向いている。
けれど逆に、
「不足」なところに「ほぐし」をすると、
ますますエネルギーが足りなくなるんです。

それが、
「整体を受けたあとで、体調がますます重くなる」
という現象です。
(好転反応と違うのは、数日でおさまるのではなく、
 本当にだるくなり、施術前より悪くなるという点)


要は、
マッサージや指圧にも「補瀉」があるということ。
鍼や灸だとわかりやすいんですけどね、
手を使った場合でも、
「足す引く、どっちもやれる」んです。

抜くようなタッチと、
補うようなタッチは、全く違うものです。

一つ、すぐ使えるヒントを言うなら、
早いタッチをすれば瀉、「抜く」ほうに傾きます。
遅いタッチをすれば補、「補う」ほうに傾きます。


本当は、そういう計算をしないといけない。
そしてそれ以前に、
計算が立つように「触診」をしないといけない。
つまり、お客さんの患部ごとに、
「エネルギー過剰」なのか「エネルギー不足」なのかを、
見極めないといけないんです。


……でもそれって、かなり難しいよね?


だから、できない先生が多いんです。
独立していても、ね。

そして、こんなことを言い出すと、
「リスクのない施術ができる先生」が、
全体の2割以下ぐらいになってしまう。

それじゃあ、まずいよね。

「得意な症状」と、
「まったく改善できない症状」が
分かれてしまうし、
被害者がいっぱい出ちゃう……



じゃあ、どうしたらいいか。


ぼくが取り組んできた有効策は2つで、

1.触診と補瀉ができるセラピストを増やす
2.触診と補瀉が不要なセラピー技術を伝える

というものです。


1はすごく時間がかかるけど、
レイキを習得すれば、かなり早く「そこ」まで行けます。
だから、整体師さんたちにもレイキを教えています。

2が、ぼくは取りいそぎ最優先だと思っていて、
楽ゆる式のスキルはすべて、
補瀉の計算が要らない施術法でできています。
プラスもマイナスも、元の「ゼロ」に回復させる。
楽ゆるの初級でさえそうなってる……というか、
もっと言うと「初級だからこそ」そういう風に、つくりました。
慣れないうちのリスクこそ、最小限にすべきだからね。

当然ですが、先ほど紹介した
「タッチの早さ」以外にも、大事なコツがいくつかあります。
(呼吸、立ち方、体重の使い方、刺激の秒数など)

そのコツさえキチンと守っていれば、
過剰だろうが不足だろうが、
補も瀉もわかってなかろうが、
「中庸(バランス)」に持っていく、
というタッチが可能になります。
(ちなみに、その極みが「音叉」です)

そしたら、
プラスに行きすぎることも
マイナスに行きすぎることも無いので、
「判断ミス」や「やり過ぎ」のリスクを消せるんです。


この「中庸」、
もっとわかりやすくいうと、
ニュートラルなバランスに持っていくということ。

それさえできれば、実は、
一番安全・安心かつ簡単なんです。

というか逆にいうと、
「整体とか初めて」な人たちに整体スキルを
教えるにあたって、
この「補瀉の問題」をクリアしておかないと、
ちょっと難しすぎるし危なすぎると思うんです。


だからぜひ、
セラピストさんや、その卵さんは、
この原則を覚えておいて下さい。

補瀉について興味がわいたら、
東洋医学系の本を読むと、ある程度の
概要は理解できます。

施術でどうやればいいかについても、
たくさんのヒントがあります。


「そういう難しいことは、自分では今はムリ」
という場合は、楽ゆる式を学びに来てください(笑)


あ、そうそう、
最後に大事なことをひとつ。

「ヤバい病気」の多くは、
エネルギー不足の問題……つまり「補」が
必要な体に宿ります。

だから、
その回復や予防をサポートしたいなら
「ほぐし」という「瀉」だけでなく、
「補」のスキルが必須になるわけ……ですね。



ではでは、今日も面白い一日を。
ちなみに「補」を一番簡単に誰でもやれるのが
「温タオル」です。(だからぼくはよく勧めてます)