楽ゆる式◎セラピスト塾

根っこから体調がよくなる整体セラピーのヒント。心と体、魂のツボ。

「とにかく強く揉む」のが、なぜNGか。



「先生は全身をごりごり揉むのは良くないって
おっしゃってますが、筋肉が柔らかくなるのは
いいことじゃないのでしょうか?」

こんなご質問をもらうことがあります。

これね、まず、ごく簡単に答えるなら、
ごりごり強く揉むことには『リスク』があるんです。


代表的なものは……

△ ケガをする(筋繊維が傷つく)
△ 過刺激がストレスになる
△ 急にやわらかくされると驚く
△ ↑の理由から、交感神経(戦うスイッチ)が強まる
△ ↑の理由から、筋肉が数時間後に「施術前より」固くなる
△ 筋肉の「自ら柔らかくなる能力」が落ちる

というものです。


実際は、ある程度強い刺激を入れても
「計算ができている」なら、こうはなりません。
(短時間に留めるとか、その後すごく優しくする、とか)

でもリアルに、
計算ができている人は「ごりごり揉む」ことを
ほとんどしません。


ただし、
質問者さんが持っている疑問の、

「筋肉が柔らかくなるのは
いいことじゃないのでしょうか?」

という後半部分は、正しい。
柔らかい筋肉のほうが、
血流をよく助けてくれますしね。


でもね、
そこですごく大事なのは、
「どう柔らかくするか」……

いえ、もっと正確にいうと、
「自然に柔らかくなるように、どうするか」なんです。
(ここテストに出ます)


忘れないで欲しい。
「(外から)柔らかく〝する〟」のと、
「(中から)柔らかく〝なる〟」のとでは、全く違う


たとえばね、
とんかつ的なサイズの豚肉を料理するときに、
フォークでぶつぶつ刺したり、
棒でがんがん叩いたり、するでしょう?

そうやって調理した肉は、やわらかく食べやすくなりますね。


【Q】ただあれ……生きてる豚にやりますか?
  (マッサージ的な意味で、ですよ?)


――うん、怖い想像をさせて、ごめんね(笑)


結論、やらないよね?


だって、
そんなことしたら「ケガ」するでしょう?

なぜなら、
「まだ豚は生きているから」。


ただ、それで言うと……ぼくらも、まだ生きてるよね?(笑)


つまり、
筋肉が柔らかくなり切るほどゴリゴリ強く揉むのって、
そういうことなんです。
ムリやりほぐす以上は、ケガのリスクは避けられない。

そのせいで、
マッサージに通うペースって、どんどん早くなりがちです。

「最初は月に1回で平気だったのに、
 今では毎週マッサージに通ってます」

なんて声を聞くこともあるけど、それは
体質が悪いせいでも生活習慣が悪いせいでもない、
……ことが、非常に多い。(残念ながら)

毎週通う、とまでなると、
マッサージで「そうされてる」と考えたほうがいい。
だって、ごりごり揉まれることで……

△ ケガをする(筋繊維が傷つく)
△ 過刺激がストレスになる
△ 急にやわらかくされると驚く
△ 以上の理由から、交感神経(戦うほう)が強まる
△ 筋肉の「自ら柔らかくなる能力」が落ちる
△ 以上の理由から、筋肉が数時間後に「施術前より」固くなる

――こうなるんだったら、
そりゃあ、通うペース、早くなるよね?(涙)


だから、いかんのです。


だからぼくらは、
「(外から)ムリに柔らかく〝する〟」のではなく、
「(中から)自然に柔らかく〝なる〟」ほうを、選びたい。


これを、覚えておいて下さい。


あ、そうだ、
ちょっと違う角度から、もう1つだけ。


「ごりごり揉む」という発想だと
「筋肉のことしか考えてないから」
という理由も、ある。

こりや痛みにも「層」があります。
固くなってる理由にも色々ある……といってもいい。

もちろん、
ごくシンプルな筋肉疲労で固くなっていることも、あります。
そういうときは、ごりごり……はしないほうがいいけど、
シンプルに揉むことも有効です。

ただし、この現代、そういう人はもう、ほとんどいないよね?

なぜって、
「ごくシンプルな筋肉疲労」がメインなのは、
肉体労働の人たちだからです。
農家さんとか、職人さんとかね。

今は、そういう働き方の人は減ったでしょう?

座っていて、
手や頭や目ばかり使っている仕事のほうが、大多数です。

そしたら、メインの疲労は、
「ちょっと複雑な神経疲労」になってくる。
それに、食があんまり安全じゃないから、
「内臓疲労」も絡んでくるよね。


……と、なると、
痛みやこりにしたって、
その原因である「疲労の種類」が
そもそも昔とは違ってきてるんだよね。

原因が変わったのに、昔と同じやり方で良いわけ……ないよね。


だから、
現代のセラピストは、
「神経のケア」ができたほうがいい。

で、神経のケアをちゃんとするのには、
自律神経のもとである「頭」、
自律神経の通路である「背骨」、
その通路の中枢がある「骨盤」、
自律神経の大事な同僚である「内臓」を
ケアできたほうがいい。
それでこれらが、楽ゆる式の「中級コース」になってるんです。

そしてもっと弱ってる人には、
神経の「栄養」である、氣・血・水のケアが必須です。
だから、
血流リリースとか経絡リリースが、
楽ゆる式の上級に出てくる。


ただ、
「そんな難しいこと、素人に全部はムリよ!」
っていうのが当たり前です。

それでも、神経までケアできないと
治らない症状が増え過ぎちゃった……

だからぼくは『音叉セラピー』を作ったんです。

音叉なら、素人でも、
頭、背骨、骨盤、内臓、氣・血・水を
すべてケアできる。

そして、
「ごりごり揉む」のの、ちょうど反対。
「全く体を侵害しない刺激」なんです。

なんなら、音叉なら、
レイキができないと普通は不可能な、
「氣を補う」ということまで、できる。
まあ、簡単にたとえるなら「充電してあげる」ということね。

(これは超大事なテーマだけど深すぎるので、
 詳しくはまた別の機会に説明します。
 要は「充電が切れてる人」が、現代は増えたわけです。 
 「無気力」ってつまり、そういうことだからね)


まあ、音叉に限らないんだけど……

「楽ゆる」な刺激で体が整うときは、
ごりごり揉むのとは、逆のことが起きます。

○ ケガをしない(筋繊維を攻撃してないから)
○ 優しい刺激がリラックスになる
○ ゆっくり柔らかくなるから、馴染む(長保ちする)
○ 以上の理由から、副交感神経(休むスイッチ)が強まる
○ 筋肉の「自ら柔らかくなる能力」が上がる
○ 以上の理由から、筋肉が数時間後にさらに(勝手に)柔らかくなる


というね。

この違いは、ちょっと大きすぎるでしょ?


大事すぎて何度も言うけど、
「北風と太陽」です。


北風が有効なときも、なくはない。
でもベースは、太陽じゃないとあかん。


……何より、そもそも、相手は弱ってるんだからね。


忘れないでいよう。


ではでは、今日も面白い一日を。
「主役」は本人。ぼくらは「脇役」。
「俺の力で柔らかくしてやろう!」なんてえのは、
越権行為なのよね。