肩をもんだら、肩が柔らかくなる。
それが「ほぐす」ということ。
気持ちがいい。
わかりやすい。
でも、それは「マッサージ」でしかない。
『整体』ではない。
この違いは、決定的に大切です。
なぜ、
ほぐすだけでは『整体』とは言えないのか?
即答できますか?
答えは……
「何も問題を解決していないから」です。
「体の一部が無理やり柔らかくされた」としても、
それを「整った」とは言いいません。
なぜなら、
「そもそも肩が固くなっていた原因」が、あったはず。
それを無視して、とりあえず「結果」である肩こりだけを変えても……
「原因」が残っている。
だったら、
「肩は間もなく、また硬くなる」でしょう。
それではキリがないよね。
たとえば、
誰かとケンカをしたときに……
「仲直り」をするのは良いけれど、
「なぜケンカになったか」を解決しておかないと、
またどうせ、ケンカになります。
それは「整って」ないよね?
もっとわかりやすく言うなら、
まだ「乱れが残ってる」よね?
整うということは、
「結果ではなく原因が変わる」ということ。
「症状ではなく体質が変わる」ということです。
「肩こりが今だけ軽くなる」ことを狙うのではなく、
肩こりが生まれる原因や体質を探り、変えようとすることで、
「肩こりが再発しないようにする」。
そのために、
「体の動きや働きを本来の状態に近づける」
ことができたら……
それが『整体』です。
じゃあ具体例として、
「肩こり」に話を戻してみようか。
そりゃあね、肩を触ったって、別にいいんです。
ただ、それは「サービス」みたいなもんでね、
それだけじゃあ、終わらない。
これは今日覚えて帰って欲しいんだけど……
肩こりにおいて最優先なのは、
「腕の動きや働きを本来の状態に戻す」ことです。
そのために例えば、
・肩甲骨の動きをよくしたり、
・腕のねじれを元にもどしたり、
・手首の力みを抜いたりする。
そうすると、
腕をいい位置に保ったり、
腕を動かしたりするときに生じていた
余計な「摩擦」や「負担」が、消えていく。
そしたら、肩こりは、消えるんです。
ここが大事でね……
「ほぐした」のではなく「溶けた」んです。
だって肝心な「その瞬間」に、
ぼくらは肩を触ってはいないんだから。
そもそも「こり」というのは「凝り」、
「凝縮」のことです。
交通でたとえるなら「渋滞」なんですね。
(汚れた血とか筋膜の癒着とかが詰まってる)
さて、
渋滞をなんとかするためには、どうする?
渋滞してる車をメッキメキにぶっ潰せばいい?
そしたら潰した分だけスペースができるから、
何台かは車が通れる?
――そんなわけ、ないよね(笑)
それはもう下手すると、死人が出ますわな。
そしてものすごい混乱が起きて、
渋滞はもっと悪化するでしょう。
あれ?
でも、無理やり「こり」をほぐすのって、
それと同じじゃない?
そうなんです。
そういう「リスク」のあることなんです。
考え無しにとにかく強く揉むってことはね。
ここまで考えてくれば、もう、明確にわかるはず。
それは「整って」ない。
「乱れ」が残ってる(または増えてる)よね。
本当は、どうしたらいいか?
●1.渋滞している原因を取り除く
(事故現場とか信号機の故障とか)
●2.とにかく「車が流れる」ように交通整理する
これら2つが、有効です。
理想は1と2を同時にできることです。
ただ、とにかく渋滞を解消しないと
「行くべきところに車たちが行けない」ために、
すごく色んな不都合(体でいうと不調)が出るわけです。
だから、1の原因の調査はしながらも、
2の「とにかく流す」という作業が優先になる。
じゃあ、
渋滞しているところの車を流すためには、
どうしたらいい?
詰まってるところを後ろからメキメキって押し流す?
……のは、ダメに決まってるよね(笑)
大事なのは渋滞の「先っぽ」なんです。
先からどんどん移動できる、
つまり「抜けていける」ようにすると、
後続の車は「勝手に動く」んです。
渋滞の出口って、実際に「そう」なってるでしょう?
つまり『出口や行き先を作ってあげる』と、
渋滞というのは「勝手に消えていく」んです。
(これがちなみに『リンパ節』を整える価値のメインね)
決して、
「渋滞している固いところをギシギシ押し込む」
ことではないんだよね。
で、渋滞さえ解消されてしまえば、
ひとまず安心です。
働く人たちの車は職場に行けるし、
消防車は火事の現場に行けるし、
救急車は人助けに向かえる。
そしたら「事故」や「故障」の対処だって、
物資や人材がスイスイ届くし、
すごくスムースになるでしょう?
後は「整っていく」よね。
実はこの、
『出口や行き先を作って、とにかく流す』
ということを体でやるのが、
楽ゆる式でいう「血流リリース」なんです。
これが上級である理由はまさに今話した
「渋滞」のイメージでね……
「渋滞」があちこちで起きすぎている場合って、
ひとつひとつの事故現場や故障に手を取られていると、
時間がいくらあっても足りないんです。
たとえば、
骨盤も腰椎も肩甲骨も広背筋も肋椎関節も鎖骨も
ゆがんで固まっていて、とにかく端からどんどん
整えていく……としたら、
すごく上手な人でも、2時間ぐらいかかってしまったりする。
しかも、
それでなんとか施術を終えたとしても、
「体中が工事中」みたいなことになってるから、
だるさがひどかったり、まったくスッキリ感が
無かったりする。
患者さんもセラピストも、クタクタに疲れちゃってね。
それじゃあ、いまいちでしょう?(笑)
でも「そういう患者さん」って、増えてるんです。
(体中に渋滞があるようなパターンがね)
そしたら、
1つ1つの渋滞すべてに対応するんじゃなくてね、
血流とリンパだけでも流して「先に流れを作ってしまう」と、
「勝手に消える渋滞」というのが、いくつもあるんです。
……というか、「それでも残る渋滞」というのは、
たいてい、2~3個ぐらいなんです。
(元は10個ぐらいの渋滞があったとしても)
なぜって、
ちょっとした事故や故障は、体の場合、
「自己治癒力」が治してしまうからです。
ただ、それには条件があって、
血液やリンパ液という〝お薬〟が豊富にあれば……なんだよね。
(だから先に巡りを作ってしまいたい)
それが、
「ほぐす」じゃなくて「溶ける」ときに
体に起きていることです。
外から力が加わったから……じゃなくて、
内側から潤ったり治癒したりしたから、
「自然に柔らかくなる」という現象。
そっちのほうが、たくさんの問題が解決してるでしょう?
だから、
「整った」って言えるんです。
もっというなら、
骨格や関節も本来の状態になったりしてるんだから、
「収まった」って言ってもいいぐらい。
明らかに「乱れ」が減ってる。
それを目指したいんです。
……あ、といってもね、
もちろんこれは楽ゆるの「血流リリース」だけの
独自の現象ではありません。
上手に使った場合の「ツボ」とかでも、同じことが起きてます。
たとえば、
肩こりのツボが「腕」にあったり、するでしょう?
肩への直接のパワーではなくて、
腕を通した内側からの変化によって、肩こりが消えていく。
そういう「体の自然の質が良くなる」ような変化に、
たくさん立ち会いたいよね。
せっかく整体をやるんだから。
そんな変化を効率よく全身にがっつり起こしましょうや、
という目的でつくったのが、血流リリースなんです。
ということで、ちょっと
うちのスキルの紹介が濃くなってしまいましたけども(笑)
大事なことは、もう伝わったはず。
「ほぐす」の次のレベルに、行きましょう。
「目の前のそこ」ではない「どこか」を通して、
「目の前のそこ」をゆるめよう。
それができればできるほど、体は整う。
相手の負担が少ない。
こちらの負担も少ない。
何より……施術が楽しい。
体の魔法に触れられる。
「ほぐす」から「溶かす」へ。
渋滞を「押し潰す」のでなく、
「出口へ先導して洗い流す」イメージで。
ではでは今日も、面白い一日を。
魔法のようなスキルがあるんじゃなくて、
体にある魔法を理解してお借りできるかどうか……だけです。
あとがきにつづく……
■追伸:
血流リリースにも「実演動画」があります。
「軽いタッチでも体は変われる」というイメージを
蓄積するだけでも、セラピストにとっては大きな肥やしになります。
よかったら、↓の案内ページからチェックしてみてね。
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■ お知らせ
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