「人間は、弾力のある袋に入った水みたいなもんだよ」
(とある達人)
■ あなたが、触っているのは、何?
施術のとき、あなたは、何を触っていますか?
きっと一般的には「筋肉」でしょう。
でも、それではいかんのです。
筋肉を触っている、筋肉を解そうとしている、
筋肉のバランスを整えようとしている……では、視点がちょっと低い。
それだと本当に「変わるのは筋肉ばかり」となってしまう。
もちろん効果の派生はありますが、どうしても
「狙っていないところに届く効果」は、限定的です。
「100mを早く走るためには、110m走るつもりでいろ」
昔、陸上の先生に教わりました。
「その奥」を思うことができたら、「届き方」が全く違ってくる。
「ボールをもらったあとの選択肢を3つは常にもっておけ」
こちらは、サッカーの先生がくりかえしていた言葉です。
「その先」を思うことができたら、「響き方」が全く違ってくる。
イメージが、結果をまるっきり変えてしまうわけです。
■ イチローが見ていたものは?
イチローは、打率を見ていませんでした。
もちろん、無視はしていませんが、もっと重要視していたものがあります。
それは「自分の感覚」だそうです。
(要約責任@永井)
ヒットが打てたかどうかよりも、
イメージ通りに体を操作できたかどうか。
よい感覚で、自分のバランスで動けたかどうか。
彼にとってはそのほうがよほど大事だった。
だから、打率がよくても全然満足していなかった。
……どころか、ものすごい数のヒットを打っていた時期のことを、
「あのころはスランプだった」と公言しているほどです。
彼にはイメージがあるんです。
数字とか、すぐ目の前に見えるものよりも、
まさに「もっと奥」「もっと先」を見ている。
だから、3000本安打なんてバケモノみたいな結果を
出しているんです。
そしてその影には、
彼が追い続けて身につけてきたイメージがあり、
身のこなしがあり、プレイスタイルがあるわけです。
だからでしょう、ケガが極端に少ない。
コンディションのよさが「20代、30代に負けない」んだそうです。
(イチローのチームのコーチによると)
これは、ぼくらセラピストとにとって
決して無視できない事実だと思います。
(ちなみに、イチローは「筋トレ」をしません。
昔やってたけど、考えた末、捨てたそうです)
■ 水を診ようとするという視点をもつ
水を診ましょう。
体液を診ようとしましょう。
ぼくはこの一歩が、すごく大きな始まりだと思います。
達人への確実な歩み。
液体がいかに巡っているか?
どこで詰まっているか?
どこからもってくるべきなのか?
どれぐらい潤ったか?
源泉はどうなってるか?
理想のイメージは、赤ちゃんです。
あのハリ・ツヤ、それに「ふわふわ」な筋肉。
あれ、めちゃくちゃ強いです。
よく、全生物を同じサイズにしたら
昆虫が一番強い!とかいいますよね。
人間も、赤ちゃんが大人と同じサイズになったら、
パワーで勝てないと思います。
あんなに泣き続けたり、全身運動、できないでしょう?
■ 究極のコツは、マザーズタッチ
……話を戻しますね。
赤ちゃんみたいに「ふわふわ」すればいい。
だとしたら、触るときには「赤ちゃんを触るつもり」で触るといい。
マザーズタッチです。
赤ちゃんが嫌がるようなことは、施術で決してしない。
強い、突然、痛い、不信、飽きやすい、
タッチの面積が小さい、冷たい……etc
「それやったら赤ちゃん、泣くだろうな」
ということはすべて、治療のジャマです。
断言してもいい。
赤ちゃんだと思って、ふれてみて下さい。
タッチが変わります。
体液に届くタッチになる。
感覚的過ぎますか?
……でもね、感覚の世界なんです。
そこに分け入っていくしかないんです。
ただ、道標としては、かなり具体的だと思います。
ぼくは、こんなふうには教えてもらえなかった(笑)
約束できます。
この感覚を鍛えていったら、スキルはすごいスピードで
上がっていきます。すくすくと手が育つ。
ちなみにぼくも、ようやくつかみかけている感覚なのですが、
水(液体)をさわれるようになったら、
氣(氣体)を感じ取れるようになってきます。
そう、ここ、つながってるんです。
これがまた、面白いところ。
(個体 → 液体 → 氣体 の順ですね、やっぱり)
だからぜひ、考えてみて下さいね。
今やってるスキルの中で、
「赤ちゃんが嫌がりそうなポイント」、ないですか?
といっても、それをやめなさい、って話じゃないですよ?
「同じ目的のことを、赤ちゃんも嫌がらないやり方に
アレンジできない?」
っていう考え方が、最高です。極上です。
確実に、次のレベルが待っていますから。
――それではまた、面白い毎日を!
実際、赤ちゃんに触らせてもらうと、手が学びます。
……編集後記につづく。
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「楽ゆる式1:心体脳の健康と能力を最大化する方法」は
こちらです。⇒ http://www.rakuyuru.jp/
◎ 編集後記:
テレビで剣客商売(73)を見ています。
そう、1973年にやってたというやつです。
ぼく、生まれる前です(笑)
これがまた、面白い。
面白くてしょうがない。
お酒に合ってしょうがない。
みんな演技がうまいんです。
空気が違う。
「入ってくる」んです。
よく芸人さんがされるダメだしの「話が入って来ない」の真逆。
超入ってくる。
演出もいいんですよね。音楽も地味だけどすごくいい。
ひとつひとつ、血が通った感じがします。
なんでもかんでも昔のものがいいだなんて
言わないですけど、
「ごまかしが利かなかった時代の圧倒的な実力」
というのは、やっぱり胸をうつものがあります。
そうなんです。
いとしさも切なさも心強さもある。
餃子と剣客商売と日本酒。
さて、また原稿、頑張ります。