楽ゆる式◎セラピスト塾

根っこから体調がよくなる整体セラピーのヒント。心と体、魂のツボ。

【心体.50】1石3鳥!触診(タッチ)のセンスがすげえスピードで上達する方法

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■すげえ達人たちの、1番大事な共通点


 「達人のワザは、個性的である。
  ただ、全員共通して・・・異常に触診(タッチ)がうまい」
 
 これは、整体の世界の法則みたいなもんです。
 
 実際に、僕も「病気を治してしまう系」の達人に
 たくさんお会いしてきました。施術も受けましたが・・・

 


 
 氣功、ハリ、レイキ、理学療法系、頭蓋仙骨系、
 リンパ系、オステオパシー系・・・
 
 やり方も考え方も、本当にいろいろです。
 
 「ガンを治すぐらいの達人」なのに、
 「腸骨筋って何?知らない」って人もいて(笑)
 得意なことは、バラバラなんですね。
 
 ただみんな共通して、「診断が異常にうまい」。
 そして、ほぼイコールなんですけど、
 「手(タッチ)がものすごく柔らかい」。
 
 これは、技や考え方が違っても、
 共通していました。

 そしてそれが――「決定的」でした。
 
 

■なぜ、触診(タッチ)がそれほど重要なのか?


 氣功だろうがオステオパシーだろうが、
 もっとも結果を左右するのは、「イメージ」なんです。
 
 これは治療に詳しくなればなるほど、実感します。
 
 まったく同じことをしているようでも、
 「イメージが悪い」場合は、効かない。
 「イメージが良い」場合は、効く。
 
 そんなこと、当たり前に起こるんです。 
 
 そのあたりは、スポーツとか芸術とかとも似てますね。
 イメージがあるかどうかが、キモなんです。

 
 そして、イメージを読み取るのも、
 伝えるのも、「手」なんです。

 たとえば――
 
 「手探り」という言葉がありますね。
 人は何かを全力で感じ取ろうとするとき、
 手を使うんです。もっともするどいセンサーだから。
 
 そして、言葉よりも多くを伝えるとされる
 ボディランゲージでも、もっとも多用されるのは、手です。
 
 もちろん、施術で一番使われるのも、手ですね。
 これは氣功などでも同じ。

 つまり手は、「メッセージのやりとり」をするのに、
 一番活躍するパーツで、「イメージを読む」にも、
 「イメージを伝える」にも・・・

 手(タッチ)ができてるかどうかで、
 天地の差になるんです。
  
  

■タッチだけで、うまいか下手かがわかる


 だから、新しいセラピストに施術をしてもらうとき、
 これだけで、実力がほとんどわかります。
 
 タッチがうまい人で、施術が下手な人は、かなり珍しい。
 タッチが下手な人で、施術がうまい人には、会ったことが無い。
 
 直接患者さんに触れない氣功をやる先生でさえ、
 「手は柔らかい」んです。
 
 なぜか?
 
 それは、
 「手がかたいと、伝わらない」からです。
 
 想像してみると、すぐわかります。
 
 もし、停電になったとき――
 スマホを探すなり、壁づたいに歩くなり、
 ブレーカーを探すなりするとき・・・
 
 手からは力を抜くはずなんです。
 そうじゃないと、読み取る力が落ちるから。
 
 それが本能です。

■「読み取れる」か「伝わる」かは、柔らかさ次第


 これは、読み取るときだけでなく、
 伝えるときも同じです。
 
 かたい手からは、ちゃんとした
 メッセージ(氣やイメージ)が伝わらないんです。
 
 表情が硬い人って、何を考えてるか、
 わからないでしょ?
 
 おんなじです。
 やわらかいほうが、ちゃんと伝わるんです。
 
 その代表が、赤ちゃんですね。
 感情が、すごくすごく伝わってきますよね。

 アレです。
 あの威力(伝達力)なんです、欲しいのは。
 
 

■手のやわらかさが、上手・下手を完全にわける理由


 これで、大分わかりやすくなったかと思います。
 タッチはたとえるなら、会話力みたいなもんです。

 相手がどんなメッセージを切実に発していても、
 聴く力が弱いと、よく理解できない。理解したことが
 相手に伝わらないから、「安心してもらえない」(これがヤバい)。
 
 逆にこっちがどんなにいい情報をもっていても、
 説明力が弱ければ、スムースに伝えることができない。
 言葉(情報)が相手にしみこんでいかないわけですね。

 要は、タッチの力は、そのまま、
 「コミュニケーション能力」だということ。

 治療法の価値が、100あったとしても、
 それが、100伝わるのか、
 10しか伝わらないのかが、「タッチの質」で
 変わっちゃうわけです。

 そしてそれが、相手(の体)が求めるものであれば、
 100%消化されるけれど、
 そうじゃなければ、10%しか消化されないかもしれない。

 で、その「相手(の体)が求めるものかどうか」を
 知るのは、やはり、触診(タッチ)なんです。

 だから、
 「手がやわらかいかどうか」は、セラピストにとって、
 致命的な素養になってくる。

 100の威力のワザが、100の結果を出すのか、
 1の結果しか生まないのか。

 それを完全に分けてしまう。

■どうすれば、確実にタッチが上達するか?


 最後に、「じゃあ、どうしたらいいのか?」

 タッチは、自信がない人が多いんですが、
 大丈夫です。僕も最初、めちゃくちゃ下手でした(笑)
 (同期よりずいぶん下手で、けっこういじめられました)

 でも、「あることを意識」すると、急に
 うまくなるのが早くなります。

 それは、
 「持ち物を、最適な力で持ち運ぶようにすること」と、
 「触診のときは、密度を意識すること」の2つです。

 それぞれ、説明しましょう。

 

■1)ちょうどよく力を使う(最適な力で持ち運ぶ)

 たとえば、
 2リットル(=2キロ)のペットボトルを持つとき、
 どれぐらい、ギュッと力を入れていますか?

 これね、
 「俺のほうの力も、ちょうど2キロだわ」って人、
 いないんです。・・・いたら、ド天才か、ド変態です(笑)

 でも、そこなんです。
 「2キロのものを2キロの力で持てば、リキまない」
 んです。無駄な力が一切ないということ。
 反発もされないということ。

 「ちょうどよく力を使う」と言ってもいい。

 これは、パソコンでも同じです。
 キーボードをうつとき、やたら音がでかい人、
 いるでしょう?(笑)

 あれこそ、リキみですね。
 氣がムダに放出されてる。反発が大きいから、
 音が大きく出るわけです。

 もっと静かに、赤子が起きないぐらいでいいんです。
 そのほうが圧倒的に疲れませんしね。

 他に、足音もそうです。
 やたら大きい人、いますよね(笑)
 達人は大抵、「忍びか!」ってぐらい、小さいんです。
 
 それは「ちょうどよく力を使っているから」です。
 やはり、無駄な反発がないので、音が出ません。
 忍者とかそうでしょ?

 足の「運び」が良いとかっていいますよね。
 踏み方とかじゃないんです、運び、なんです。
 渋いですよねぇ。

 ・・・というわけで、
 「それに必要な最低限の力だけをちょうどよく使う」。

 これが、タッチを早く上達させる、1つめの奥義です。
 すげえ変わります。
  
 歯磨きのときの歯ブラシも、ご飯食べるときの箸も、
 スマホのときの指も、施術のときの手も・・・

 同じです。
 強すぎてもダメ。弱すぎるほうがマシだけど、
 弱すぎてもダメです。

 これを意識しましょう。
 意識しはじめたらもう、治療の威力が上がっています。

■2)密度を意識する

 


 カタいかどうか。
 これは、人間のカラダでは、密度が高いかどうか、です。
 乾いているかどうか(水分より具が多い状態)と言ってもいい。

 たとえば、
 キャベツが詰まっているかどうか、
 重さでもわかるけど、ちょっと手で掴むだけでも
 わかりますよね?

 あと、超わかりやすいのは、風船です。
 風船って、表面をさわっただけで、空気がパンパンなのか、
 もうしぼんできているのか、わかりますよね。

 密度=「押し返す力」でもあります。

 だから実は、みんなすでに、
 「生活の中で当たり前にやっていること」なんです。
 その延長でしかない。

 だから、誰だって鍛えることができる。
 ただ、意識にコツがあるだけ。
 
 というわけで、密度をたしかめるつもりで触れていると、
 触診はどんどん上手になります。

 「カタいかどうか」というよりも、
 「どれぐらい密な状態か?」と 意識したほうが、
 見えるものはたくさんあります。

 それがわかってくると、
 筋肉がこっているかどうかだけでなく、
 筋膜とか皮膚とか、いろんなものの状態が
 読めるようになってくるんです。

 面白いでしょ?

■すべてに、優しく

 


 簡単にいえば、こういうことです。
 
 歯ブラシだって、強くつかんじゃったら、
 「痛え!」って思ってるかもしれないじゃないですか(笑)

 だから、
 「ものに対しても、優しく接しよう」としてたら、 
 それだけでいいわけです。

 で、優しく触ってたら、
 「密度がわかるようになってくる」んです。
 手がやわらかくなってるからね、自動的に。

 そしてそういうとき、
 「一番良い氣が、一番たくさん出る」んです。

 そう・・・これが一番大事かな。

 あらゆる手を使った行為が、
 本当は、「手あて」なんですからね。

 ほんとうは、色んなことが、
 「真に優しく在るための手段」でしかない。

 最近、そんな風に思えてきました。

 ・・・ちょっと年寄りくさいかな(笑)

――それではまた、面白い毎日を!
達人の施術がソフトな理由も、今回の話でわかりますね。