今回は、「心技体 ~ 本当に治せる人気セラピストになる方法」
シリーズの、第4回目です。(全7回)。
前回までで、「技」って何なのか?ということで・・・
▼浅いところに囚われず、深みを癒やせるようになる
▼技と言っても、施術法だけでなく診断力という土台を
無視しない・・・どころか、最重要視しなはれや!
というポイントに触れてきました。
これを受けて、今回からは、「心」に触れていきます。
現代は特に・・・心の力が育ってないセラピストは、
伸びないし、売れないし、壊れてしまいます。
さて。
セラピストに求められる心の力って、どんなものでしょうか?
また、どうやって磨くことができるのでしょうか?
今回はそれを、探っていきましょう。
●「困ったら、迷ったら・・・
一回まわり見て、もっと掘れ!」
こんな格言があります。
僕は、これ、大好きです。
今回の結論は、『探究心』です。
これが、肝心なとき、僕を支えてきてくれました。
●ちなみに、セラピストの最大の悩みって、何か。
わかりますか?
それは、
「思うように患者さんが良くならない・・・」
「どう対応して良いかわからない症状だ・・・」
「患者さんが不満をもっている(ように感じる)」
といったもの。
●きっと、そんな苦い記憶が、誰にだってあるはず。
もちろん僕にも、思い浮かぶ顔がいくつもあります(笑)
まじめなセラピストであればあるほど、
この悩みに、モチベーションを大きくくじかれ、
メンタルに疲労をためていくんです。
●それは、
「その患者さんが不満をためてしまう」とか、
「その患者さんに嫌われてしまう」とか、
「その患者さんが来なくなるかも」といった
問題・・・だけでなく、
メンタルの疲労や、自信の低下などによって、
「そのあとに患者さんに対する治療能力も下がる」
という問題も、引き起こすんです。
いつもより疲れる、時間がかかる、
調子が出ない、治りがいまいち、などなど・・・
●これを何とか克服したくて、
みんなきっと欲しがるのが、
「超常的なほどの治療能力」なんです。
もちろん、僕もそうですし、
今だって、そう思ってます。
「指をパチンと鳴らしたら、ガンが消えたらいいのに」
って、本気で思います(笑)
でもね、根本的な解決方は、それじゃないんです。
なぜなら、
「そうなるためには長い時間が必要で」、
「その長い時間、苦しみ続けるのは負担だし」、
「ガンは治せるのに股関節痛は治せない人もいる」
からです。
●そう、僕が知っている治療家で、
ガンを消してしまう(全員ってわけじゃないですけどね)
ぐらいの能力がある人がいます。
でも、股関節痛は治せないんです。
頭痛とか、首の問題も苦手みたい。
・・・意外でしょ?(笑)
でも、そんなもんなんです。
実際の話ですしね。
●何が言いたいか?
それは、「万能の魔法って、多分、ない」
ってことです。
ガンを治せるほどの人でも、
苦手な(まだ対応していない症状)があるんです。
つまり、
「思うように治せない症状」というのは、
僕らがどれぐらいものすごい能力を持とうと、
常にやってくるものなんです。ずっと。
僕の師匠がよく言ってました。
「常に、今の自分の能力では少しだけ足りない
患者さんがやってくるんですよ。導かれるようにね」
って。
そして、つくづく、
その通りだと思います。
●だから、
「高い能力で、治せない悩みを解消しよう」
というのは、きっと、間違いなんです。
ここはぜひ、おさえておいて欲しい。
これがわからなければ、
セラピスト最大の悩みを一生引きずって生きる
ことになっちゃいますからね。
じゃあ、どうやって解決するのか。
それが、『探究心』なんです。
●ちょっと不謹慎かも知れませんが、
「オラ、わくわくしてきたぞ」なんです。
『ドラゴンボール』の主人公、悟空が、
強敵を知ったときに、よく言ってました。
『対応できない症状』というのは、
正確に言えば、
『今の自分では対応できない症状』です。
もっと正確に言えば、
『今の自分では対応できないと思ってしまった症状』
なんです。
つまり、
調べたり聞いたりする時間があれば、
成長するだけの時間があれば、または、
メンタルを積極的に立て直すことができれば、
対応できるかもしれないんです。
●そういう自分。
「立ち向かう」なんて、大げさじゃなくていい。
「逃げない」なんて、まじめじゃなくていい。
「ちょっと掘り下げてみたい」ぐらいでいいんです。
症状の正体ってなんだ? 根っこは何だ?
体にはどんな傾向が出てる?
頭には?
内臓はどうなってる?
何だったら、試してみる価値がある?
何で調べたら、ヒントが探せる?
誰に聞いたら、ヒントをくれる?
そう思えたら、苦しさは減ります。
●100%、短期間で治そうなんて思わなくていい。
(そんなこと、魔法でもない限り、無理です)
「試せることがある」だけで、
セラピストは、強いモチベーションを保てます。
「次はこれをやってみよう。
100%ではないけど、きっとプラスなはず」
と思えるスキルを仕入れたら、
「悩んでた患者さん」に会うのが、
辛くなくなるんです。
当たり前なんですけどね。
「打ち手が何もない」という無力が苦しいんです。
最強の伝説の剣じゃなくてもOKで、
ちょっと切れ味のいい新しい武器があれば、
「よーし!」って、向かっていけるんです。
その『武器』は、
施術法かもしれないし、セルフケア法かもしれないし、
トークのネタかもしれない。考え方かもしれない。
なんだっていいんです。
「ちょっと掘り下げてみたい」
と思えたら、もう、悩みからは抜け出ているんです。
『停滞』じゃなく、『歩み』になるんです。
●それが、『探究心』です。
探究心は、あなたを悩み、停滞、無力、罪悪感から
救ってくれます。
それだけじゃなく、安定したモチベーションや、
安定した実力を育ててくれます。
また、患者さんの声にも、自然と真剣になることが
できます。この価値もまた、大きい。
●精神的にきつくなっちゃうとき、足りないのは、
メンタルの力でなく、
ちょっとした『探究心』だけだったりするんです。
(僕なんて、相当タフな症状の患者さんに
毎日会ってますが、メンタルの力なんて小学3年生
レベルですからね。探究心でどれだけ
救われてるか・・・)
●一流のセラピストになるために、
最も大切な要素があるとしたら、僕は、
これだと思います。
探究心がないと、伸びない。
そして、探究心がないと、続かないんです。
(飽きるか、弱るかで、辞めちゃうことになる)
実際に、一流といわれる先生たちに共通して
感じる強烈な共通点も、これでした。
『心技体』の『心』。
その代表として、大切にして欲しいと思います。
そしてこれは、ラッキーなことに、意識さえすれば、
誰にでも身につけられる要素なんです。
決して、生まれつきのものじゃない。
●だから、悩んだら、こう考えてみて下さい。
「ちょっと掘り下げてみるか」って。
「どうなってるんだろう?」(事実・状態確認)
「何が根っこなんだろう?」(原因リサーチ)
「どんな改善案があるんだろう?」(解決方リサーチ)
わからなかったら、調べたらいい。
聞いたらいい。
そうやって『停滞』から抜け出せたら、
必ず、気分も状況も、マシになっていきますからね。
そのうち、
対応力(≒総合的な能力)がどんどん上がっていきます。
そしたら、『改善できなかった症状』が
どんどん変わっていくんです。
●最後に・・・。
この心を持ち続けた、あるプロフェッショナルの
格言を紹介して、まとめとしましょう。
「学ばない者は人のせいにする。
学びつつある者は自分のせいにする。
学ぶということを知っている者は、
だれのせいにもしない。
僕は、学び続ける人間でいたい。」
そうです。
あのキングカズの言葉です。
・・・それではまた、面白い毎日を!
大抵、手元や足元に、必要なものがあるんですよね。
※次回は、心技体の『心』。パート2です。
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■お知らせや近況報告など:
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●整体スクールの初級コース(11期)を、7月から
スタートします。(7/5、8/2、9/6、10/4、11/1)
確かな基礎を再確認したい人も、はじめてで、
周りの大切な人のケアを覚えたい人も。
1)基礎(壊れ方、治る原則、ストレスの仕組み、体の使い方 など)
2)肩のケア(仕組み、整え方、ツボ、ストレッチ、セルフケアまでなど)
3)腰のケア( 〃 )
4)首のケア( 〃 )
5)統合(全身ケアのコースとして復習・訓練、まとめ)
・・・という全5回のプログラムです。
興味がある人は、案内ページ、のぞいてみて下さい。
内容、ますます充実してきました。
⇒ http://www.ht-b.jp/erm/
●次のセラピスト塾(※単発参加、初参加OK)は・・・
▼第6回(6月21日(日) 13時~18時 )
『 体内バランスを整える「6つの膜」ケア 』
『 深オモシロい診断学01:首 』です。
このスキルの特長は・・・
● 他ではほぼケアしてもらえない深層のケアができるようになる(独自性)
●『疲れグセ』や『歪みグセ』、『リキみグセ』が抜けていくため、
体質改善、予防の効果がとても大きい
● 内臓機能が底上げされ、個別の内臓ケアでは抜けなかった症状も改善できる
(内臓トリートメントと組み合わせると、大きな相乗効果が出ます)
● 自律神経の機能改善効果が大きい(特に腸間膜の改善による)
● すべて、セルフケアにも応用可能(セラピストは膜が固まりやすいです)
といったところです!
⇒ 詳しくは・・・ http://www.ht-b.jp/erm/seminer/6.html
※ 単発参加OKで、予備知識がなくても大丈夫です。
(初心者でも大丈夫な内容です)
・・・編集後記につづく。
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■編集後記:
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探究心とよく似たものに、
『知的好奇心』というのもありますね。
人の好みはそれぞれですが、
「自分を好きでいてくれる人を好ましく思う」
というのは、やはり共通するようです。
(ストーカーみたいなのはダメですけど、
まぁあれは、愛情じゃなくて、執着ですね)
言い方を替えれば、『関心』ですね。
関心を持たれた患者さんは、ちゃんと応えてくれます。
そして、
関心を持たれた筋肉やツボも、
やはりちゃんと応えてくれます。
(不思議な話でなく、実際に起こることです)
だから、面倒でも、
ツボや筋肉の名前を知るのは、大切なんです。
ファーストクラスの客室乗務員が、
お客さん一人一人の名前を覚えて対応する
ようなものですね。