楽ゆる式◎セラピスト塾

根っこから体調がよくなる整体セラピーのヒント。心と体、魂のツボ。

【心体.17】それは、あなたのせいではない。

 

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原因自分説。
流行りましたし、また流行ってきてますね。

「変わるべきは自分!」
「過去と他人は変えられないけど、自分は変えられる!」
「自分はあのとき、どうすべきだったのか?」

美しいし、正しい。

でもね、有効じゃないときも、あるんです。
悲しいほど。

  ● 1回の施術で、そんなに改善を実感してもらえない
   患者さんがいます。

   また、何回か通ってもらっても、喜んでくださってない
   ように見える患者さんもいます。

   皆さんも経験、あると思います。

   (僕だってあります。昔はよく悩んだし、
    今だってゼロじゃない。悩まなくはなったけど)

 ● そのときあなたは、どう考えますか?
   どう感じますか?

 ● 原因自分説を使い過ぎる人は、こう考えます。

   「自分の腕が未熟なんだ」
   「申し訳ない」
   「もっと勉強しなきゃ、練習しなきゃ・・・」

   って。

   それが、間違いのもとなんです。

 ● 原因自分説は、
   美しすぎて、何にでも当てはめたくなります。

   努力家で正直で優しい人は特に、これに溺れます。

   なぜか、うちの生徒さんには、
   そういう人が異様に多いです。心配です。

   あなたは、大丈夫ですか?

 ● 原因自分説は何にでも当てはまり過ぎて、
   本当の原因を見えなくしてしまうことがあります。

   「運が悪いんだ、わたし」と似てます。
   何でもそのせいにしてはいけません。
   そういう考え方自体が、運を手放すものです。

   フジモンの「顔デカいからや!」も同じです。
   何でもこのツッコミで対応してはいけません。
   対応力がやがて衰えてしまいます。

   実は、「私が悪いんだ、力不足なんだ」も同じです。
   別に原因があるかもしれません。
   この発想では、工夫する範囲を狭くしてしまいます。

 ● わかりますか?
   「何にでも当てはまりそうな原因」というのは、
   実は、『解決しやすいサイズではないことが多い』んです。

   「じゃあどうやったら運がよくなんの?」
  と言われたら、確実な方法なんて、誰も知らないんです。
  (だから、変な商売が流行るわけですね(涙))
 
  「じゃあ、いつ、未熟じゃなくなるの?」
  って話です。それは場合によっては、
  『未熟でもできるはずの改善』をサボることに
  つながるんです。厳しく言っちゃえば、ですけどね。

  だって、下手クソでもできることって、
  いっぱいありますからね。

 ● 話を元に戻して・・・
   なかなか良くならない患者さんがいます。

   その本当の原因って、何でしょうか?

 ● ぜひ、把握しておきましょう。
   たとえば、すぐ思いつくだけでも、こんなにたくさんの
   可能性があります。

 (例):
  ▼ 本当は良くなっているが、わかってない(わからせられてない)
  ▼ 良くなっているが、表現が苦手で嬉しそうに見えない
  ▼ 良くなっているが、まだ残ってる悪い部分を伝えるべきだと思っている
  ▼ 良くなっているが、理想がものすごく高いので、
    そこに追いついてないだけ
  ▼ そもそもケガ(捻挫や肉離れ)があるため、時間的に
    長い目で見るべき症状なだけ
  ▼ 心配してもらいたいのもあり、悪い目に言う
   (ちゃんとした施術をしてもらうためには、多少重めに
    言ったほうがいいと思ってる人がいます。
    さまぁ~ずの大竹さんのように(笑))
  ▼ 悪いところがないのに来るのは後ろめたくて症状を言う
  ▼ 生活習慣や仕事週間がハード過ぎて、良くはなっていたのに
    すぐに疲労が蓄積しているだけ
  ▼ 『思い込み痛』(心理的な問題)があるために、
    よくなっていることを実感できない状態
  ▼ 『邪気』があるために、回復を実感できない状態

  などなど。

 ● 今あげたのはほんの一例ですが、
   どれも、「施術者側のせい」とは言い切れないものです。
 
   少なくとも、「施術者のせい」にしていたら、
   いつまでたっても改善できないことになります。

   そして、それぞれ、大切なことですよね?
   無視しちゃいけない、大事な情報が含まれています。

 ● こういった可能性に目を向けずに、
   「悪いのは自分の技術なんだ・・・未熟なんだ・・・」と
   自分ばかり責めていたら、どうでしょう?

   本当の実力は、身につきませんよね。
   (本当の)原因を追及する力と、(本当の)原因を改善する力。
   それこそ、本当の実力です。(たぶん、あらゆる仕事で)

   何より、患者さんが『置いてけぼり』になります。
   いつまでも健康に戻れません。
   施術者が、美しい幻想に溺れてしまったがために、です。
   それじゃあ、ダメですよね。

  「いやいや、先生の技術がどうとか言ってんじゃなくてさ、
   どうやったら良くなれるか、教えてもらえたら
   それでいいんだけどね」

  って、患者さんは思うでしょう。

  (人を責めたい人なんて、滅多にいません。よほど
   健全じゃない状態じゃない限り、基本は味方です)

 ● だから、やぶからスティックに
   原因自分説を振り回してはいけません。(懐)

   そもそも、『誰が悪いか?』という質問が良くないんです。
   すごく視野を狭くする問いです。

   そうじゃなくて、
   『どの部分がうまく機能しなかったか?してないのか?』
   という問いが効果的だと思います。

   具体的に、分解していくことです。

 ● たとえば、なかなか良くならない、という風に
   見える人に、聞いてみたらいいんです。

  「施術直後は、ラクな感じ、ありましたか?」
   ・・・あったかもしれません。
   そしたら、少なくとも短期的には、有効だったんです。

  「そしたら施術後、何日ぐらいで痛みが再発しましたか?」
  ・・・2週間後ぐらいかもしれません。それが
   予定より短いなら、生活習慣を調べていくべきです。

   4月だし、飲み会が多かったかもしれない。
   そしたら、原因はお酒や食べ過ぎかもしれない。
   氣の遣いすぎかもしれない。つまり、『生活原因』ですね。

   また、もしその2週間が予定通りなら、順調ですよね。
   説明が必要なだけです。「●●さんの体調から行くと、
   2週間ぐらいもてばちゃんとキープできてるほうですね」って。
  「もっと長持ちさせるには・・・」って話をしたらいい。
  
  どっちのケースにしても、「施術者のせい」ではないし、
  何の問題もない話です。

 ● また、もっと具体的に聞くこともできますよね。

  「一番ひどかったときを10とすると、今は何ぐらいですか?」
   ・・・場合によっては、「5」とか言います。

   良くなっとるやんけ!とツッコミたくなりますが、
   「まだ残ってる」ほうが氣になる方は、「まだ良くなってない」
   という言い方をするんです。悪気なんて一切ない。

   でも、2週間たった時点で半分を保ててたら、
   意味ある効果は充分出てる、って言えるかもしれない。

 ● こんな風に、
   ちゃんと『実情』を知ろうと思えば、
   予想とは違う実態が見えてくるんです。

   自分が怖いと思うような結果、望み通りじゃない結果が
   出たときほど大事です。
   この、『実情の確認』が。

   悪いことが起きたら、目を背けたら、もっと危ない。
   当たり前です。

   車の運転でかんがえたら、よくわかりますよね。
   前方に子どもが見えたら、「やばいかも!」って言って
   目を閉じたりしないですよね?

   でも、人生や仕事では、よくあることなんです。
 
   悪いことが起きたと思ったときこそ、視野を広くとろうと
   頑張って、調べて、実情をよく見たらいいんです。

   子どもの位置をよく見て、ブレーキ踏みながら
   ハンドルきったらいいんです。

   そのほうが、絶対に安全です。
   心だって、クヨクヨ怖がってるより、よほど落ち着きます。

 ● 「それは、あなたのせいではない」。
   何かが、予定通り機能しかなっただけです。

   だから、
  『誰が悪い?』でなく、『どこに問題があった?』って
   何かを責めるでなく、ちゃんと見ていきましょう。

   自分を責めてる間は、自分ばっかり見ています。
   見るべきは、患者さんであり、問題のほうですよね。

 ● まじめな人ほど陥りやすいワナとして、
   ぜひ、心に留めておいて下さい。

   他人を責めちゃいけないのと同じぐらい、
   自分を責めちゃいけないんです。


【 今回のポイント 】-------------------------

 何でも自分のせいにする『原因自分説』は美しいが、
 そればかりに溺れてしまうと、周りが見えなくなり、
 相手も見えなくなり、本当の原因を見過ごしてしまう。

 なかなか良くならない患者さんがいたときにも、
 原因は20通りも30通りもある。それを個別に
 見ていかないと、本当の改善はない。

 安易に自分の未熟さのせいにしていたら、
 真の問題を解決する力は身につかない。
 
 『誰が悪い』でなく『どこに問題があったのか?』
 『何が機能していないのか?』という問いを使って、
 常に真の原因を探りつづけたい。

 ※ ただし、『原因他人説』のひともたくさんいるので、
   それよりは、『原因自分説』のほうがよほどマシなのは
   間違いないと思います。

   でもまぁ、
  「どっちも偏りがちよ、バランスが崩れがちよ」
   という話ですね。

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■編集後記:
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 僕らが・・・

 すごく気になったり、
 心配したり、
 イライラしたり、
 怖かったり、
 ムキになって言い訳したくなったり、
 相手を言い負かせたくなったり、
 場合によっては傷つけたくなったり。

 そういうときは、
 『僕ら自身の心にある地雷』が反応しています。

 その人に問題があるというよりは、
 自分の中に、問題があるんです。

 それに似ているから、
 ハラハラします。過剰に反応します。

 その人は全然悪くなかったりします。
 悪気なんて全然なかったりします。

 会話でよく起こることです。
 
 そして、
 ストレスの半分以上は、 
 そんな『カン違いには見えない、大きなカン違い』が原因です。

 怖いよね。