●「たかしは、根気があるね」
・・・その昔、じいちゃんが繰り返し僕に言ってくれた
褒め言葉です。
小学校のころ、正直、僕は、
ホメるところがなかな探せない子でした（笑）
成績よくない、運動が苦手、友達少ない、書も絵も普通、
内気、腰痛もち（笑）、などなど・・・
でも今は、それで良かったと思っているんです。
●そういう中で、宇宙で一番優しいじいちゃんは、
何とか孫を勇気づけようと、言葉を、チャンスを、
探してくれていたように思います。
あんまり何も出来ないので、誉めてくれる言葉は
３つほどのメインに絞られていました（笑）
それが・・・
「たかしは、まつげが長いね」
「たかしは、大器晩成型（晩年に成功するタイプ）だな」
「たかしは、根気があるね」
・・・という３つでした。
●今思えば超単純ですが、
僕は何も出来ない分逆に、この言葉を信じました。
じいちゃんは孫を喜ばせたいとはいえ、嘘はつきませんでした。
だから僕は、この３つをずっと信じていました。
●そして今、
この３つは、 精神のどこか深いところに染みこんでいて、
整体師としての大きな武器になっています。
１）こんなにまつげが長くてカールしている整体師は珍しい
２）晩年にもっともっと上達すると信じているので、諦めない
３）根気があるはずだと思っているので、諦めない
・・・という具合です。
●もうお話した通り、
僕には、才能とか、もともと得意なことなんて、
ほとんどありませんでした。
今だってそうです。
新しい技術を習得するスピードは、人並み以下です。
ただ、僕は、諦めが悪い。
「１００回か１０００回ぐらいやって改善が見られなかったら、
考え直したほうがいいかも」と思っています。
この粘り腰は、じいちゃんが時間を心をかけて、
僕にインストールしてくれたものだと思います。
●僕はもちろん、まだまだ未熟ですが、
この「粘り強さ」という点において、名人の素質がある。
・・・と思うようにしています（笑）
というのも、
整体に限らず、色々な名人が必ずもっている性質が、
この「粘り強さ」だからです。
●名人って、名人だけあって、
ウザいほど個性的な人が多いです（笑）。
直接的にでも、間接的（本など）にでも、
いろんな業界の名人の話を聞いてきました。
成功について、技術について、成長について・・・
みんな、てんでバラバラのことを言います（笑）
でも、そういう彼らにも必ず共通するのが、
「じゃあ、どうしてみようかな？」という根性、
スピリットです。
●うまくいかなくても、予定と違っても、
「じゃあ、どうしてみようかな」と考える。
何か試す。
また考える。
次を試す。
また考える。
また次を試す。
・・・
●知れば知るほどわかってくるのは、
才能が名人を作るわけじゃない、ということです。
質の高いトライ＆エラー、つまり『実験の量』が、
名人が育つための絶対条件だと気づくわけです。
そして、
数々の実験をこなしていく背景には、
「じゃあ、どうしてみようかな」というスピリットがある。
その粘り腰がある。
●この逆に位置するのが、
「こうだからダメ」というスピリットです。
このスピリットは、選ばない方がいい。
そう・・・本当はこれは、性格ではなく、選択です。
このスピリットでは、困難に勝てない。
問題に取り組んでいけない。
重たい症状と付き合っていけないんです。
もちろん、独立したって、到底、うまくいかない。
●「じゃあ、どうしてみようかな」
というスピリットを、ぜひクセにして欲しいと思います。
このニュアンスが大事で、
「どうすべきか」だと他人からの知識が欲しくなるし、
「どうしなきゃいけないか」だとどこかで息苦しくなる。
気軽さと、ちょっとした遊び心がある、
「どうしてみようかな」ぐらいが、ちょうどいいんです。
●何についてだってそうです。
やっかいな症状。
気むずかしい患者さん。
仕事の悩み。
生活上の問題。
人間関係のトラブル。
将来設計。
「じゃあ、どうしてみようかな？」
って思い続けていられたら、必ず何か覚えていける。
その遊び心、無邪気な探究心みたいなものが、
色んな名人に絶対的に共通するものです。
●そしてこんなに強調するのはなぜかと言えば、
これは、誰にだってその気になればモノにできる
クセ（習慣）だからです。
それが、我慢を必要としない「粘り腰」になる。
我慢なんて限界がありますからね。
どこかで「平気でやり続ける」とか、
「楽しいからやり続ける」というゾーンにいかないと、
名人になるまで心身が保てない。
遊び心が欲しいんです。
●「じゃあ、どうしてみようかな？」
ぜひ、大事なとき、ボソっと、つぶやいてみて下さい。
・・・編集後記につづく。
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■編集後記：
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発売わずか３週間にして、なんと、
「おなかもみ上げ」の重版（増刷）が決まりました！！！！
今、出版不況といわれ続ける時代で、
１０冊に１冊も増刷までいかないんだそうです。
有り難いです・・・（涙）
１冊目が増刷までいけるかどうかで、
２冊目以降の出しやすさが、別次元のものになります。
おかげさまで、
物書きとしてのとても大事なスタートを
バシュっと切ることができました。
今回登場した僕のじいちゃんも、
きっと喜んでいることでしょう（笑）
根気ぐらいしか武器がない・・・というのは、
逆にすごく強いことだったのかもしれません。
他に選ぶ武器もなかったから、
そればっかり使ってたらすごい筋力ついちゃってた的な（笑）
きっと誰しもが、
無意識に、他の人がもっていない武器を
もらってきているんでしょうね。
振り返ってみると・・・それは・・・？
